葬送と宗教者の関係

TSさん 早速ご意見ありがとうございます。 私は死や葬送に対するタブーが崩れたことで、いい面と悪い面が極端に出て、その結果が「多様化」という現実だと見ています。 今7割以上がいわゆる「親の死」ですが、夫婦世帯も多いことから3割は「配偶者の死」でもあるのです。 少数の近親者で、懇ろに送られることもできるようになったのはプラスです。何せバブル景気の末期には「社会儀礼」以外のものにあまり目が行かず、7割の本人を知らない、悲しんでもいない人たち向けに葬式を行い、遺族の喪の仕事はひととおりの儀礼が終わった後に、一人... 続きを読む

「危機」ということ

コメント広場が賑わい、私もそれにコメントしていますが、ここで私の考え方の一端を言っておきます。 「家族の危機」「仏教(でなくても何の宗教でもいいのですが)の危機」 と言われ、私も発言していますが、その問題はかなりの深刻な問題ではあるのですが、けっしてそれ以前がよかった、問題がなかったというわけではないのです。 「イエ制度」下の家族には大きな問題がありましたし、また、それを必要とした社会的背景もなかったわけではありません。戦前の二・二六事件や五・一五事件の背景には、近代化にまい進する社会が同時に農村の危機を... 続きを読む

安易な不要論

アエラが「『お寺』はもういらない」週刊朝日が「中国はもういらない」経済界が『お墓なんていらない」学研新書が『お墓は、要らない』 これらは島田裕巳『葬式は、要らない』(幻冬舎新書)の題名をパクッタもの。不愉快だ。 いずれも書中では「不要」とは言わず「問題提起」だとし、インパクトを高める手法のようだ。 よく原点から考えるために「サラの状態から考える」という表現があるが、歴史的なものは通俗理解を踏襲せず、客観的に見直すということはあっても、「いらない」からは始めない。 誰だったかな、島田本を読んで「読んでみると... 続きを読む

葬儀費用の調査

涼しくなったのかな、と思いきや昼間は結構温(ヌク)いです。昨日はいい天気でしたが、今晩から雨、とか。 他のブログですでに紹介されていますが、私もこの調査の公表に立ち会ったので報告しておきます。 『月刊消費者』10月号(すでに発売されています)に日本消費者協会の第9回の葬儀についてのアンケート調査の主な数字が掲載されています。 厳密には2010年3月と5月に同協会の消費生活モニターと同協会会員1024名にアンケートを郵送、回収したもので、回答数は98.4%と他の一般調査ではあり得ない高率の回答率です。 ここ... 続きを読む

葬式と布施 私の意見

葬式と布施についての全日本仏教会主催のシンポジウムについて先に2回感想めいたものを書きました。 コメントをいただいたように、地方寺院の問題は大きな問題です。前にも紹介したように、都会にある住職のある意味ノホホンとしたものとは異なり、特に40代、50代の僧侶の方が強い危機感をもっています。私がシンポジウムの席上配布した資料をそのまま掲載したほうが、私の考えについてご理解いただけるかと思います。長いですが、以下に掲載します。ご批判を歓迎します。 おそらく私の認識はまだまだ甘いものでしょう。それを承知の上、掲載... 続きを読む