上野創『がんと向き合って』を読む ■「がんとともに生きる」 今朝(2018年2月4日)の朝日新聞朝刊を読んでいて気づいたのは「がんとともに生きる」という記事がさまざまな形で取り上げられていたことであった。 がんに罹ったことで退職を強要されることもまだまだ多い、という現実には心を痛める。 がん治療が相変わらず過酷なこと。 体力はもとより精神的にも大きな揺れをもたらすこと。 小児がんで子どもを亡くされた親たちの会で聴いた話は今でも鮮烈である。 (きょう明日掲載と聞かされていた「弔いのあり方」が掲載されていたが... 続きを読む
四畳半からの報告20180130
IFSA(日本遺体衛生保全協会=エンバーミングの組織)から『エンバーミング技術』3号が出た。 目次 日本のエンバーマーたちの技術進化はめざましく、先進国の北米とも遜色ないレベルになっている。 今回の3号は橋詰知子さん(スーパーバイザー、燦ホールディングスグループ公益社)が座長となってまとめたもの。 馬塲、佐藤(貴)、関、橋詰さんが創刊号からの編集委員。 監修は高篠智(杏林大医学部講師)、宇屋貴(スーパーバイザー)さん 私は創刊号以来の最後の尻たたき役で制作を完成する役。 こういう若い人たちと一緒... 続きを読む
檀家制度の成立ー葬祭仏教の史的展開(4)
葬祭仏教の史的展開 1 葬祭仏教の誕生 https://hajime-himonya.com/?p=1513 2 葬式仏教と葬祭仏教 https://hajime-himonya.com/?p=1555 3 聖たちの世界 https://hajime-himonya.com/?p=1556 4 檀家制度の成立(今回) ■檀家制度の原型 檀家制度が法制化されるのは江戸中期の寺請制度によるものであるが、貴族や武士以外が檀那となり寺を支えるようになったのはそれより古い。 「戦国仏教」と言われる室町後期から戦国時... 続きを読む
聖たちの世界ー葬祭仏教の史的展開(3)
葬祭仏教の史的展開 1 葬祭仏教の誕生https://hajime-himonya.com/?p=1513 2 葬式仏教と葬祭仏教https://hajime-himonya.com/?p=1555 3 聖たちの世界(今回) ■仏教伝来 圭室の『葬式仏教』の本文の書き出しはこうである。 日本人の信仰基盤は自然崇拝であった。それは私たちを取りまく自然のなかで、自分たちに有益なものにたいする依頼、そして危険なものにたいする恐怖、という相対立する二つの感情の、率直な宗教的表現である。 圭室はこの先、古代からの神... 続きを読む
葬式仏教と葬祭仏教ー葬祭仏教の史的展開(2)
72歳になった。 「まだ若い」との世辞を聞くこともあるが、それは社会のすさまじいまでの超高齢化を背景としており、人間の自然としては老齢である、と自覚している。 70歳は「古来稀なり」であることを自覚している。 しばらくブログを放置していたが、少しずつ書いていく。 ブログを書いていると、「書きかけ」というのをしばしばする。 次を展開しようと思っているのだが、つい違う話になってしまう。 このブログでもいくつかの書きかけがある。 その一つが「葬祭仏教の史的展開」である。 「葬祭仏教の誕生」を書いたのが2017年... 続きを読む