コロナ禍における火葬場問題

東京新聞2021年2月12日に「こちら特報部」でコロナ禍の火葬場の遺体の取り扱いについて大きなスペースを割いて特集している。 今回の特集について私も早い段階から協力していてコメントを寄せている。 今、唯一の都営の火葬場である瑞江火葬所ではCOVID-19で死亡した遺体の火葬を1日10体まで引き受けている。 1日周辺住民との協議で25体までと火葬数を取り決めており、その中の10体であるから積極的である。 だが当初からそうではなかった。 昨年の第1波期にはかなり消極的であった。 東京都は民営の火葬場の取り扱... 続きを読む

葬儀の役割の見直し コロナ禍にあって

(1)葬儀の内容―葬祭従事者と遺族の見方の違い 葬祭事業者の立場から言えば、葬儀とは、 ①葬儀の電話等による受注 ②病院等からの搬送 ③遺体の安置 ④打ち合わせ ⑤届出・手配 ⑥遺体の管理(納棺、湯灌、ドライアイス処置または保冷庫、エンバーミング) ⑦通夜の準備 ⑧通夜 ⑨葬儀の準備 ⑩葬儀 ⑪出棺 ⑫火葬(北関東以北では火葬を葬儀に先行する骨葬が多い) となる。 遺族等から言えば、 ①臨終時の看取り ②宗教者・葬祭事業者の手配 ③安置された遺体との対面 ④枕経・宗教者との打ち合わせ ⑤葬祭事業者との打... 続きを読む

COVID-19で死亡者の葬儀等のガイドラインと過去の主な感染症

COVID-19で死亡者の葬儀等のガイドライン 2020年7月29日、厚労省、経産省は「新型コロナウイルス感染症によって亡くなられた方及びその疑いのある方の処置、搬送、葬儀、火葬等に関するガイドライン」を作成した。 https://www.mhlw.go.jp/content/000653472.pdf これは2020年3月にすでに厚労省のホームページでQ&Aの形で示していた内容を再構成したものである。 作成には、国立感染症研究所だけではなく、行政では東京都、医療関係では日本医師会、日本看護協会、... 続きを読む

コロナ禍と葬儀 葬儀の変化②―2020 年7月以降

2020年5月25日の緊急事態宣言の全面解除を受け、社会は緩やかではあるが、経済活動の再開に向かって動きだすことになる。 異論はあったものの、政府は7月各種のGo Toキャンペーンを開始。7月より感染防御と社会経済活動の両立が図られることにより、特に地方においては葬儀が一定程度の回復に向かうことになる。 ※2021年1月の再度の緊急事態宣言発出により、予定されていたお別れ会等の開催が急遽中止が相次ぐことになった。 葬儀の「平常化」といっても、コロナ禍以前とは異なる。あくまで感染防御との両立を図ってのもので... 続きを読む

コロナ禍と葬儀 葬儀の変化①—2020年3~5月

日本葬送文化学会の会報『葬送文化』22号は2月上旬に発行とのことである。 http://www.sosobunka.com/ 私は22号に「コロナ禍と葬儀に与えた影響」という論稿を掲載している。 この論稿は2020年10月下旬より11月初旬にかけて執筆したものに12月18日に必要最低限の補足を行ったものである。 構成 はじめに―コロナ禍の概況 1 新型コロナウイルス感染症とは? 2 COVID—19流行の概況 3 コロナ禍による国内葬儀の変化 4 葬儀の内容の点検と従事者の役割 5 コロナ禍による社会的空... 続きを読む