近年の葬儀について、参列した人から 「出棺前の遺体との対面を強制された」 という声を聞く。 バブル期(もう20年以上前のことだが)の葬儀は今と大きく違って、有名人でも会社役員でもない普通の人の葬式で会葬者数が300人程度はざらにあった。 会葬者の7割が死者本人を知らない人が占めることさえ珍しくなかった。 そんな葬式では、出棺前のお別れの儀(遺体と対面しお別れし、花を添える)については死者本人と親しい人に限るため、 「ご遺族、ご親族の皆様は式場内にお残りください」 という案内がされた。 その他の人は式場... 続きを読む
「ハカジマイ」はほんとうに流行っているのか?
NHKでは憑き物がついたように「ハカジマイ」を話題にしている。 ??? 本日アップするのは2017年2月に書いたもので、『ソナエ』に掲載されたのは同年3~4月頃だろう。 再掲にあたり一部を補っている。(以下、本文) 墓石業者に聞くと「新築される墓があまりない。最近は【ハカジマイ】が多い」という。 ハカジマイ=墓をしまう(終う、了う)、つまりは「墓を片づける」ことの意。 ハカジマイとは、従来あった墓や納骨堂を整理し、遺骨をまとめて承継(跡継ぎ)を必要としない永代供養墓(合葬墓)に移すこと。 中には行... 続きを読む
格差社会の葬送、寺院・教会
人口動態統計の最新の発表等があったため、それらの紹介を兼ねて、本日「も」長い。 ■「人生90年時代」の到来と少子多死社会の伸び 平成29年(2017)簡易生命表によると、平均寿命(0歳児の平均余命)は、男性81.09年、女性87.14年と前年比0.1年伸びた。 1960(昭和35)年が男性65.32年、女性70.19年であったから約60年間で15~17年伸びたことになる。 より実感に近いのは寿命中位数である。 「寿命中位数」とは、「生命表上で、出生者のうちちょうど半数が生存する... 続きを読む
人生は統計どおりにいくわけない
「人生90年時代」と言われる。 (「100年時代」と言われることがあるが、少し早すぎ) 女性の寿命中位数(過半数が生存する年齢。出生者のちょうど半数が生存すると期待される年数)が、90年を超えたからである。 最新の簡易生命表(2017【平成29】年)によれば、寿命中位数は男性84.08年(平均寿命81.09年)、女性90.03年(同87.26年)となっている。 以下の原稿は2016年12月に書いたので、雑誌掲載は2017年2月頃であろう。 ※データは執筆当時。 ・・・・・・・・... 続きを読む
彼岸入り 墓参り
本日9月20日は彼岸入り。 そこで墓参りに出かけた。 私が管理している墓の一つが東京・品川にある臨済宗の寺「東海寺」の大山墓地にある。 東海道新幹線が通ることで改築したらしい。 墓のすぐ後ろを新幹線が走っている。 新幹線のための改築の際に墓所は少し狭くなったらしいが、今でも大きい。 その理由は明治37年に55歳で死亡した父方の曽祖父が陸軍の将軍であったからだ。 曽祖父の横に曾祖母の墓があり、左手前に祖父の弟の家族の墓が同じ墓域にある。 父方の祖父母の墓は仙台の北山にあるキリスト教墓地にある。 東海寺の... 続きを読む