今朝(20170514)の朝日から気になった言葉を抜いてみた。(ディジタルから引用しているので、本紙とは一部異なる) 共謀罪 共謀罪に関するカメラマン宮嶋茂樹の発言 むしろ共謀罪は、市民が犯罪者を拒む理由になるんじゃないか。「あなたとは会うだけで共謀罪に問われそうだから」と。もちろんテロリストや暴力団などの組織的犯罪集団と関係があるような人は一般市民とは言えない。 若い頃、大物右翼の赤尾敏氏(故人)を撮影した写真展を開いた。最初に会場に来たお客さんが「よう、宮嶋君。いい写真だね」と言う。公安刑事だった... 続きを読む
生死の境界―個から見た死と葬送(26)
そこには痩せこけて、口を開け、固まるように寝ていた人がいた。 思わず引き返し、ドアの横にある名前を確認した。 間違いなかった。そこに姉の名が書かれており、ベッドにも姉の名が書かれていた。 声をかけても反応しない。 1週間前に、間違って携帯を押し、姉につながった。すでに5度目の入院をしていた姉だった。力は弱かったものの受け答えはしっかりしていた。 先に姉を見舞った兄からの電話で、著しく衰弱し変貌していると聞かされてはいた。だが、ここまで酷い変わりようとは思わなかった。 かろうじて呼吸する様が喉で確認できる... 続きを読む
遠くなる母とその死―個から見た死と葬送(25)
携帯電話が鳴った。22時15分。 「高倉和夫さんですね。林病院の看護師の及川と申します。お母様の芳子さんが危篤になられましたのでご連絡します」 すぐに病院に車を走らせた。 ひどく落ち着いている自分がいた。 母は4人部屋から個室に動かされていた。 「高倉さんですね。こちらへどうぞ」 病室では若い医師がモニターを見ていた。というより私が来るのを待っていたかのようだ。モニターの線はもうなだらかであった。 「22時55分、ご臨終です」 と医師は言い、立って私に頭を下げた。 母の手を握ってみたが、ダラーンとしてい... 続きを読む
「葬式をするって!」―個から見た死と葬送(24)
「葬式をするって!」 兄が怒鳴った。 「どれだけ苦労したって言うんだ。これでやっとせいせいしたっていうのに」 兄が疲れた顔で言った。 兄の言うこともわからないではない。この10年、母は昔の穏やかな母ではなかった。 「お前たちは私を殺そうとしている」と被害妄想にかかり、近づくだけで「怖いよ」と喚き、退く。 また、よく怒鳴った。 私たち兄妹はすっかり消耗してしまった。 「でも、この10年の母さんは病気だったのよ、ほんとうの母さんではなかったのよ。せめてお葬式くらいやってやろうよ」 と私は必死に兄に頼んだ。 渋... 続きを読む
「家族」…この不思議なもの
「家族」というのは不思議なものだ。 多くの人にとっては、疑いようのない濃い人間関係なのだろう。 しかし、それ故、強い反発と憎悪の対象にもなり得る。 また、家族を私物化してしまうこともある。ほとんどが無意識のうちにだ。それがいつのまにか、相手への肉体的、精神的暴力となったりする。だが、それを意識化することは極めて困難である。 あるいは「関係を断つ」ことには相当の覚悟が強いられたり、いったん離れると、再度の関係づけは難しい。 「犯罪」というのは、「外から来る」と漠然と思っていることが多いが、実はかなりの確率で... 続きを読む